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「歯車」

ある若い社員が入社時、言う。
私は歯車となってこの会社を構成したい、と。
無論、上層部にはこの矮小な意見は受け入れられなかった。
彼は周囲に、取り分け年輩の御仁に受け入れられず、
やがてはその社会を、ひいては社会から離脱することになる。
しかしこれは卑屈な考えなのだろうか。
日本人にはどうも、自分は大きな機構の中に取り入るくせに、
客観的に己が同化させられて見られることを嫌う、
消極的な反発、自己主張、そういう意識があるらしい。
小さな歯車でも、一つ欠ければ何も動かない、
そういう機構は、この世に無数に存在する。
それに気づかないわけもないだろうに。
可愛相なのは、哀れなのは、一体誰だろう。


20060828


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