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「ダイス」

サイコロが好きだ。
もしも叩き売りでもいい、1個10円で買えるようなら、
僕は100個や200個、買って帰るかもしれない。
神の思し召しか、そんな無謀で無残な機会に恵まれたことはないが、
兎角、100個のサイコロを持ち帰ったら、僕はまず最初に、
100個のサイコロを床にぶちまけるだろう。
床に跳ね、或いは他のサイコロとぶつかり合い、
サイコロは床に転がり、広がる。
もしも…、もしも、その100個のサイコロ全てが、
同じ面を向けて止まったとしたら。
そんなことは天文学的確率の産物でしか有り得ない事は、
重々承知しているのだけれど、それでも…、
その瞬間、僕は、神にしか作り出せない「偶然の産物」を、
この手で生み出したことになるのだ。
それは恐らく、この僕が一生の運を使い果たす瞬間でもあり、
それを思うだけで僕は途方もない戦慄を感じる。

20060402


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