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「スノウドロップ」

きっと私の心は冷め切ってるのね。

そう彼女は言ったのだけれど、
そう言う彼女の手はとても冷たくて、
僕はなんだか、それだけで切なくなって、
彼女の手を温めようとしたのだけれど、
触れたその手はやっぱり冷たくて、
僕の身体に冷たさが伝わってきて、
僕の身体は段々溶け出して、
足元に落ちる水の玉が不思議と温かくて、
仕舞いには彼女の手は濡れるばかりで、
少しも彼女を暖めることなど叶わずに、
僕は水溜りになってしまって、

何も出来ずに、僕は悲しくなってしまった。


20080310


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