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「真意」

誰かと同じ穏やかな時間が、実は、
彼には苦痛で仕方なかったらしい。
その証拠に、誰かと行動を共にしようというとき、
彼はことあるごとに高いところを嫌がった。
本当の二人だけの孤立を、彼は恐怖したのだ。
高所恐怖症だと必死に弁明していた彼を、
けれど彼の住居の最上階で見掛けた。
風の強い日のことだ。もう、
そこには本当の孤立しかない。
彼を誰かが助けることは出来ないだろう。
彼の真意を量ることは僕にも出来ない。


20070505


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