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「パフューム」

自分以外の別の何かの香りを誤魔化すために、
そもそもが香水の類は発明された。
自然界においても、他者の縄張りを崩すために、
体液を用いて香りを誤魔化す風習がある。
人工的な香りは素晴らしいものも多いが、
その素晴らしさは人工の域を絶対に越えない。
しかし自然界の香りの全てが素晴らしいものでもない。
五感により感じるもののひとつであるそれは、
他の感覚器官で感じるものと等しく、
根本的な役割りとして危機の回避が第一理由である。
好みにそぐわぬ香りは、本能的にそれが、
自分にとって危険なものではないかと危惧しているのだ。
努々、忘れるなかれ。魅惑は同時に危機であると。


20070328

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