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「寂寥」

ほんの偶然、地面に埋もれた古物を発見することがある。
当時は世の中じゅうに溢れていたものが、
いつしか、そうしないと目に出来ないこともある。
懐古趣味はないけれど、何十年ぶりに目にするものに、
回帰の年を抱くことも、ままあるのだが。
これまで見たことのない古物を目にしたときに感じる、
あの懐かしい、としか言いようのない感覚は何だろう。
遺伝子のレベルに遡らなければならないものでもない。
レトロ主義の源流がここにあるのだろう、としか、
今は簡単に結論付けられないけれど、しかし、
古代に思いを馳せる者の感慨というものは、きっと、
こんな程度の思惑では収まるまい。
悔しさと同時に何か、寂寥感を思うのは、多分、
未来を見通す余裕もなければ、過去を振り返る余裕もない、
現代人が今を生きるのに必死過ぎるせいだろう。


20070125


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