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「1年前の約束」

4分と33秒をかけてゆっくりと
そのシルバーラインを渡っていると
信号で停車していた彼の車が
耳障りなギアの音を立てて半壊した
晴れたいい日だったのに
そんな光景を目にしたせいで
どうにも夢見が悪い
気がついてみれば公園の噴水の横の
青い色のベンチの上で僕は
午睡を堪能していたはずなのに
壊れた彼の車のボンネットの上で
丸くなって転寝をしていた
多分日差しは気持ちよくて
オーヴァヒートした彼の車は
横断歩道の真上で止まったまま
子守唄を僕に聞かせてくれた
四角い缶詰の夢を見るために
僕はもう一度欠伸をして静かに目を閉じた


20061117


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