< 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171 172 173 174 175 176 177 178 179 180 >

「分解」

機構を壊すことを、人は極端に嫌う。
既に完成されているものを分解すること、或いは、
改修の余地があるはずなのに完成されていると認知されているもの、
それらに己の意見を介入させることを恐れるのだ。
それが正しいか否かは問題とされない。むしろ、
己の意見を持たぬように持たぬようにと、
人は日々を過ごしている方が多い。
その方が、楽だからだ。
その方が、幸せだからだ。
その後に待つ苦難を、
その後に待つ不幸を、
皆、考えないでいる。考えないようにしている。
良い方に転換する可能性よりも先に、まず、
後退してしまう恐れを恐れるからだ。
その一歩を乗り越えた者だけが、次の世界へ進める。

20060208

<< prev　目次　next >>

Copyright(c) Kazui Yuuki all rights reserved.