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「束縛」

ほんの偶然で、太陽を、手に入れた。
指で摘んでみると、思ったほどに熱くはない。
むしろ、清々しいくらいに触感は悪くない。
成る程、これは独り占めするのは勿体無い。
そういう、僕みたいな健全な考えを持つのが半分で、
あと半分の情け容赦ない奴らがいるから、
太陽は夜なんていう理不尽な時間を過ごすのだ。
得心が行って、僕は太陽を離してやった。
あっという間に太陽は僕の見えないところへ逃げていき、
心さがない奴に捕まったのだろう、世界は、
急速に闇に向かっていった。

20051221


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