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「待ち人」

僕は、じっと待っていた。
来るべき時が来るのを。
その時は、必ず来る。
けれどもそれは、とてもとても、長い。
待つのは、苦ではない。
望みが叶うのが絶対であるのを待つことは、むしろ、
とても楽しみで、誇らしいようにも思う。
誰もが望みを叶えられるような世界ではない。
それだけに、余計、望み通りの展望は、待ち遠しい。
けれども、僕は時に思うことがある。
幾ら僕が望むことが決定的にやってくる事実とはいえ、
その受望者である僕がいなくなったら、
望みは果たして同じように叶えられるものであるのかと。
太陽が昇って朝が来ることのように、
誰も望まなくても叶えられる奇跡はある。
果たして、その逆は絶対に有り得ないのだろうかと、
僕は実は思ってやまないのだ。

20051211


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