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「猫足」

猫足のテーブルが、届いた。
もうきみが来るのを7ヶ月も待った、
そんな風に話し掛けたいくらい、待っていたものだった。
こういうのを、なんと言うのだろう、僥倖だろうか。
真っ白な天板の上に様々置いて、
僕はその城を色々な色に染めるだろう。
銀色の猫足を時折歪めながら、
きみは僕を窘めるだろう。
七ヶ月も一人で何をしていたのと。
七ヶ月前の僕が、どれほど混ざり合った色の中で、
もがくばかりだったのかをきみは思い、
そして溜め息をついて、
動かない猫足に僕が触れることを、許した。

20050817


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