< 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 >

「右下」

暗闇に残る幻影が見えないと、悲しくなることがある。
ちょっと変な言い方だけれど、例えば、
眠りに就く直前に消した蛍光灯の、
光の管だったはずのものが暗い黒い幻影になる。
それを見つめたまま動けない僕、動かない自分。
一瞬前まであったものが、もうない。
一瞬前にまで、本当にそれはそこにあったのか。
そんなものが、この街には多過ぎる。
自分の意思で消したはずの光に、名残惜しさを感じたとき、
暗闇に残る右下の欠けた光の環を認識している。


20050709


<< prev 目次 next >>

Copyright(c) Kazui Yuuki all rights reserved.

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送