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「捨て猫」

草の上に座り込んでいた僕の横を
かつて親友だったはずのきみが
自転車に乗って通り過ぎる
その籠には紙袋が乗っていて
きみは通り過ぎ様に放り投げた
地面の上で取り落とす前に
袋の口から飛び出る小さなもの
神様が投げ捨てたかのように
僕の胸元に捨てられた子猫が一匹
膝の裏を通り過ぎて過去に消えた
立ち上がることもうずくまることも
僕には出来ないまま ただ
一度だけ鈴を鳴らすきみと猫を
交互に眺めることしか出来ない

20040731


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