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「流星群」

流星群の気配はまだしない

きみはとうに寒空から脱出して部屋にこもってしまった
僕が必死の思いで空を見つめ続けているというのに
きみは昨夜僕らの家にやってきた客を持て成すのに精一杯
いやそうじゃないきみは嬉々として彼を迎え入れた
その直前まで僕に渋る顔を見せていたというのに
いやそうじゃないきみの言動はいつもアッピール
僕はそんなきみの気を引こうとしているかのようで
その逡巡を悟られまいと必至に奥歯を鳴らすのを我慢している

空に光が一つ瞬いた
泣いてなどいない
僕は泣いてなんかいない

20041208


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