桜闇


 樋野の主人と同じ、粥と新香で朝餉を軽く済ませると、桐都は屋敷の掃除を始めることにした。樋野の家に仕える彼の日課である。藤麻には予め伝えてあるため、彼は今頃母屋と続きの『白鳳堂』で本の整理をしている筈だ。
 快い風があるときには、廊下に面した部屋の障子を開け放ち、部屋にそれを通すのが常だ。すなわち、空気を循環させる。そうすると、畳や柱、天井の湿り気が飛ぶ。俗な言い方をすれば、屋敷が呼吸をするのである。
 世間とは何処か軸が異なるようなこの屋敷であっても、木材を中心に組まれ形作られている以上は、風雨によって微々といえども痛んでいく。そこには確かに生き物の息遣いがあり、誰かが常に、世話をしてやらねばならないのだ。それはすなわち、屋敷に住まうということに他ならない。不思議なもので、建築を平穏に保つためには、人がその場で生活をするという事実が、最も効果がある。
「ふう……――」
 心地良い空気を頬に感じ、彼は自然と息をついた。
 慣れ、の一言で片付けられない経緯が物を言うのだが、風が空気を揺らす音を耳にし、朝の湿り気を帯びた空気を肌で感じれば、その後の天候にもある程度の察しは付く。
 ――今日は……、良い天気になりそうだ。
 青空を見上げてそれを再確認し、桐都は笑みを浮かべた。
 完璧な自然の形態がどの世界にも有り得ないように、またこの屋敷の背景を彩る装飾にも隠された色があるのだろう。変化を求めない自然は、自然とは呼べない。けれど、安寧こそ安定だと錯覚したい何者かの願望が、屋敷をそのままの姿に保たせようと意識してい るのは確かだ。
 それが、眼に見えるものでなくとも。
 多少恣意的だとは分かっているのだが、桐都はそう思うのだった。再び零れた溜め息は、先程のものとは違い安堵とは離れかけていたが、彼はそれ以上深く考えることはせず、手を動かし始める。
 桐都は部屋を移り歩きながら、乾かしておいた茶殻を畳の上にぱらぱらと撒き、暫くしてから箒で掃き集めて回った。そうすることにより、黴や埃の匂いが薄らぐ。
 そうしてから、水を固く絞った雑巾で、障子の桟や敷居などを拭き清め、畳を乾拭きした。ひと部屋ひと部屋は広くなくとも、それら一つ一つを綺麗にしていくことでやがては屋敷全体が潤ってくる。それは、屋敷に留まることを許された己がなす、一番目の奉公と桐都は思う、屋敷の主人である藤麻に仕えることは勿論だが、自分の居場所を何よりに思う気持ちは、忘れてはならないものだと彼は信念のように感じるのだ。
 何処か盟約めいた思いを抜きにしても、桐都は純粋に、屋敷の住人が過ごす、この館の香りが好きなのである。火鉢の炭や、書物の紙と洋墨、庭の翠緑、樋を伝う水の匂いまで、それらは、全てが確かにそこにあるということを感じさせた。当たり前のようでいて、 だからこそ感慨が深い。
 人は誰でも、今という瞬間を感じ取れた時に最も安堵する。自分がそこに居る、という事実を確認出来るからだ。
 或いは、喜びにも等しいそんな一瞬を感じるためにこそ、自分は樋野の家に使えているのかもしれない……、桐都は密かに、そう思うのだった。
 廊下の板を拭いていると、野良猫が一匹、庭に迷い込んできた。最近よく見かける黒猫で、意外と毛並みも悪くない。多分、彼方此方で愛想を振りまいているのだろう。八方美人が得ばかり得るということはないが、それも一つの処世術だ。
 昼飯を挟み、一通りの仕事が終わって一息付いたとき、再び足元を通り掛かったので、気紛れに構って遣りたくなった。背中を撫でてやる。猫は嫌いではなかった。以前にも、炊事場の外で魚の匂いを嗅ぎつけて、残り物を強請られた覚えがある。
「ちょっと、待っていて」
 出汁を取った後の煮干と鰹節があった筈だと、猫に一声掛けておいて、桐都は一旦その場を辞して、炊事場からひと握りの湿ったそれらを持ち出した。早足に戻ると、猫は留まっていてくれた。
 突っ掛けを履き、地面に下りて、猫の前に手を差し出す。黒猫は最初こそ怪しむように匂いを嗅いでいたが、やがて少しずつ桐都の手から舐めとるように食べた。後々、汁ものの具として足そうかと思って取っておいたものだが、思わぬところで食客が現れた。
「お前は、自由で良いね」
 飼い犬は主人に付き、一方猫は家に付く、と言われる。犬よりも猫の方が野性に近い生き方をしているということで――、最も、人に飼われる彼らが、どの程度まで自然に帰ることが出来るのかは想像しにくい。実際、眼の前にこうして座っている野良猫も、誰かの助けを受けて生きている。
 本当の自由というものは、不自然と裏表なのかもしれないなと桐都は思った。全ての束縛から脱却し、奔放の海原へと漕ぎ出ることは、すなわち誰の救いも得られず生きていかなければならないということなのだ。
 この黒猫は、本当に自由なのだろうか……、身を危険から守る主人もおらず、自らを主張する名前も持たず――、
 名前。
 自分がこの猫を呼ぶための名を付けては、いけないだろうか。
「――更紗(サラサ)」
 ふと、脳裏に浮かんだ名を口にしてみる。
 野良である立場上、案外、他に幾つもの名を持っているのかもしれない黒猫は、けれど桐都の呟きに短く鳴いて応えた。この屋敷でだけの……、桐都だけが呼ぶ、その名に。
 少し可笑しくなった。それも、面白いかもしれない。
 膝を抱えて、毛繕いを始めた猫を見ていると、
「更紗、というのか、そいつは」
 不意に声がして、白い襯衣の青年が背後から姿を見せた。靴を履いているところを見ると、自分より前から庭に居たらしい。
「……ええ」
 独り言を聞かれていたかと、少しばかり気恥ずかしく、まさか、たった今、名を付けたのだとは言い出せず、曖昧に頷いた。
「良い名だな。……響きの持つは、絹の毛並みか」
 流れ者にしておくには惜しいな、と史城が言うのに賛同し、桐都は小さく頷いた。
「藤麻様は」
「戻るには、もう暫くかかりそうだ。普段から整頓には無頓着な人だから」
 縁側に腰を下ろし、史城は応えた。
 蔵書の整理と一口に言っても、そう易々と片付く類の仕事量ではないことは、桐都にも伺い知れた。商いの一環として必要なこととはいえ、多少その苦労を気の毒に思わなくもない。
「人は……、見掛けに寄りませんからね」
「全くだ……、見習って貰いたいな、桐都を」
「ぼくを?」
 思いがけず名を呼ばれ、桐都は、肩か背中かを不意に触れられたかのようなこそばゆさを感じた。
「人を使う主人だからと言って、のうのうとその立場にいるだけで、何もせずにいられるものではないだろう? 手足が増えたのならば、その前よりも気配りは細かく、多くなる。主体が自分だけではなくなるからな。要は……、有閑も結構だが、怠け癖だけは付けないで貰いたい、というだけのことだが」
 故意に遠回りをして愚痴を言う史城の言い方に、
「そんなことを言って、いいのですか。貴方が」
 口元を上げて桐都は言ったが、彼は肩を竦めて、
「あの調子では、何日掛かることやら。……まあ、いつものことだがな。手際の良さには脱帽もいいところだ。これに関しては、年季など役に立たないということだな」
「……けれど、ぼくだって、いつまでも休んでいられないですよ」
 視界の端に開放された部屋の様子が映り、桐都は立ち上がった。仕事はまだ、残っている。
「邪魔をして、済まなかったな」
 桐都に代わって黒猫の背中に指を滑らせながら、史城は言う。
「いいえ」
 短く応えて、少年は猫に軽く手を振り、屋敷に戻った。


 日の光が深く室内に飛び込むようになると、その頃には再び障子を閉めて回る。畳が陽で焼けてしまわないようにとの配慮だが、桐都は多少神経質にそれをする。畳がいつまでも青草の容貌を晒し続けることは出来ないと分かっていても、藺草の香りは名残惜しい。
 たん、と最後の部屋を閉じたとき、彼の主の書斎の障子が開いた。屋敷の彼方此方を行き来していた桐都と入れ違いで、屋敷に戻ってきていた藤麻は、
「御苦労様」
 労いの言葉を一言掛ける。
「藤麻様の部屋の本の整理は、ぼくでは勝手が分かりませんので触っていません。御自分でなさってくださいね」
「……耳が痛いね」
 茶化すつもりはなかったのだが、桐都の言葉に藤麻は、苦いものを含んだような顔で史城を見遣った。
 いつの間にかに再び彼らに合流していた彼、視線を向けられた当人は、去り行く猫の姿を目線で追っていた。
「時々……、今日のような日には、貴方より勤勉に見えないか、桐都は」
 夕飯の支度に向かう桐都を見送った藤麻は、
「それを僕に訊くのかい……、酷いね」
 真顔で史城の言葉に答えた。しかし、その声は笑っている。
「俺は、貴方が思うより数倍、悪人なんだ」
「お互い様」
「こんなことも、お互い様なのか」
「そうだよ」
 明け透けに言われて、呆れ顔で、史城は細く息を吐いた。
「じゃあ、その悪人に頼み事だ。後で、舞を、見てくれないかい」
 藤麻がそう史城に告げたのは、やはり突然の申し出だった。
「舞を? 随分と急の話だな」
「史城に、見て貰いたいんだよ」
「俺に。桐都では駄目なのか」
「そうだね」
 藤麻は着物の袂で腕を組み、その時ばかりは悪戯めいた笑みを浮かべた。
「感想はいらない。特別な意味合いがあってのものではないから、ひとり稽古に付き合う気づもりでいてくれればいい」
 彼の舞踏の腕に関しては、言及の余地など無いと承知している。だから、史城は余計に問うことなく、肯定した。
「それも、貴方なりの考えという奴か」
「そういうことかな」
 主の気紛れなのか、はたまた何らかの考えがあってのものなのかは計り知れなかったが、史城にそれを断る理由もなかった。
「……俺で良ければ、付き合おう」
 元より、藤麻の舞は、嫌いではないから。
「有り難う」


 藤麻は、宴席の間に史城を連れた。藤麻と史城の寝室のように、間を襖で仕切られた二間続きの部屋で、大勢を呼び入れる機会があったときには、襖を取り払い、大広間として使用する。
 ここ暫くは足を踏み入れることもなかったのだが、今日、桐都が風通しをしたことで、新しい空気に入れ替えられているのが感じ取れた。
 今はその奥、床の間がある側の一室の末席に史城を座らせ、藤麻は一旦外に出た。史城は沈黙を共に、中で待つ。
 間も無く藤麻は現れた。装束こそ普通の着物だが、足袋を履き、包帯を巻き直していた。気持ちの切り替えが同時に行われたらしく、その表情はいつにも増して端正に整って見える。
 懐から扇を取り出し、手の先に真っ直ぐに続くように持つ。その姿勢で一旦動きを止めた様は、舞の始まる心構えを示すのと共に、ぴんと張り詰めた舞い手の信条を否応なしに史城に伝えた。部屋の中の空気の色が変わるのを、彼は息を呑んで見守っていた。
 そして――、藤麻は、動いた。
 扇を開く指先の曲げ伸びと、手首の返し。着物に隠れて見えずとも分かる、肘の角度。それが扇の見せ方に直結し、僅かにも傾きがない、首から腰への綺麗な線。真一文字に閉じられた唇は、一切の言葉を否定するようでいて、しかしその代わりに訴えかけるものは とても多い。
 静から動へ、そしてまた静へ、再び動へ。
 それは同時に、藤麻の唇を開かせた。

  果てぬ心音の思いこそ 過ぎる月日の願いとて
  誰ぞ身許に置かんとす 夢の如くの飾り歌
  行方の色を叶えんと 人は雅に心惑わす
  思われ人は高嶺の処 華と等しき世捨て草
  我を諌め 彼をや納め 御塚無縁の元と為す――

 凛とした声で、彼は朗々と歌い上げる。一人能楽だ。
 衣擦れの音が、一つの楽曲の要素のように耳に届く。
 琴も鼓もない。本来ならば舞い手と別に座を務める歌い手も居ないため、藤麻は、その全てをその身一つで務めようとしている。
 踊り手の表情は、その声と扇の見せ方でしか計り知れないが、藤麻が今、無心であることは絶対の事実だった。手首を返す小さな動作だけで扇が幾重にも連なる。ひらり、ひらりと袂がひらめき、しかし裾捌きは見事なもので、全く乱れることがない。
 舞う、という言葉の、そのままの動態が、そこにあるようだった。
 ――歌の調子が、少し変わる。

  霞月 照る河忍ぶ凪を背に
  我は探るる霧の跡 不帰の彼方に瑞の呼び声
  違えども 比岸の縁に虚ろなる
  瑞に心事の確と気配を感じたり
  夢幻と悟りても 況して不惑の君の常
  天の端には白朧――

 そこには、樋野藤麻という青年ではなく、ただ一人の男が居る。舞の動作が主となり、それを担う舞い手が従となる。彼の表情からは能面の如く、感情の色が伺えない。
 時の流れすらも、その部屋からは無縁となろうとしているかのように思えた。演舞のもたらす最大の効果は、現実の時の経過を忘れさせるところにあるのではないかと錯覚させるほど。
 いつしか、藤麻と史城の呼吸すらが同調し、その空間の全てが機械仕掛けの機構であるかのような愉悦に似た興じと成り行く――、
 史城が危うくそう思い掛けたとき、藤麻は動きを止めていた。完全な静と化し、藤麻は舞いを終えた。その時になって始めて、彼は自分が藤麻の舞いに意識を呑み込まれそうになっていたのだと気づいた。
 史城は、呟いている。
 ――見事。
 ゆっくりと扇が閉じられ、藤麻は小さく息を付いた。
 ……だが、まだ彼は表情を和らげようとはしない。
「藤麻――」
「少し、下がっていて」
 扇で床を示し、藤麻は、そう囁いた。そのただならぬ気配に、史城は一瞬気圧されそうになる。言われるままに、腰を浮かせ、膝で壁まで、退いた。
 床の間に置かれた一振りの刀。山水画の掛け軸を背景に、黒光りのする鞘に納められた太刀と脇差の二本。鍛冶名を『散細』(チリサザメ)という。そのうちの長剣を彼は手に取った。
「何を……」
 口にしながらも史城は、藤麻のしようとしていることに気づいている。
 すらりと刀身を抜き出す。片刃の剣はそれ自身が意志を見せるかのように煌めき、見る者をそれだけで魅了しようとする。一片の曇りもないそれは、手入れが十分であることを示しているが、……果たしてそれまでに血を浴びたことがあるのか、否か。
 剣に魅入られたものは、何かを切りたくなる、という。血を吸った刀には妖力が宿り、魂が宿るという。かつて、人を斬るためだけに生み出された刀を手にしたとき、人は何を感じるか。
 剣の舞を披露せんとする者は、その誘惑に真正面から向き合うことになる。
 先程扇でしたように、ゆらりと剣先を正面に据え、藤麻は呼吸を整えた。
 ――参る。
 彼は、そう言っただろうか。史城が胸の内で反芻するよりも先に、藤麻は動いた。
 室内にはない筈の、風を切る音がする。鮮烈にして鋭い太刀筋が残像として見えるようで、史城の肌をぴりぴりと刺激している。項の産毛がちりりと立ち上がるのが分かった。
 手首を返す。刃が上に下にと顔を向ける。空間を二つに、三つに斬り分ける気配。ただ、剣を振っているのではない。そこには、確かに何かが斬られ、刻まれている。眼に見えないだけで、夢の跡に等しい小さな物語の予感すら、ある。
 殺気を持たない剣人が、これほどまでに現から遊離した趣を持つとは。殺気がないからこそ、刀の持つ剣気がそのままに放たれようとしている。それを藤麻は無為に抑えるでもなく、逆に支配するでもなく、自然体とも取れる流れを以って操るのだ。
 一口に刀と言っても、精錬された鉄の塊だ。片手で扱うには余程の要領が必要な筈である。例えば剣道に見られるように、竹で出来た竹刀ですら、両手で正面に構えないと姿勢が安定しない。
 舞うに際し、まるで扇と剣を同時に見せ付けてしまう技術が、体得するに並大抵の修練で身に付くものではないことを推察出来る。そう思って見ていれば、先程の舞いも一つの剣技を表現していたように思い起こされるから不思議だ。
 細面の顔に、うっすらと汗が滲み出ている。一瞬たりとも気が抜けない演舞。
 氷刀とはまさにこのことだと、史城は息をすることも忘れて魅入っていた。流れるようなひと続きの動きの中に、詩吟だけでは表現し切れない癖がある。演者に殺気がないとはいえ、舞い踊ることへの気迫は、やはり並のものではない。
 やがて……、先程とは違い、ゆっくりと、その動きは静かになっていく。二幕目の舞いも、終演を迎える。一人の剣士の終焉を見るように。
 呼吸を整えるように、最後までゆっくりとした仕種で藤麻は刀を下ろす。
 刀身が鞘に納められ、かちん、と鍔が鳴った。剣舞が本当に終了したのは、その瞬間だった。
「……驚いたな。よもや、剣舞までとは思わなかった」
 藤麻が、自分一人にだけ見せようとした訳が分かったような気がした。……これは、多くの者が平気で見ていられるような類の余興ではない。しかし、孤独に舞うには躊躇われる危うさがある。
 だから、二つの舞いを披露された史城は、光栄に思うと同時に、何処か釈然としない……、正体不明の感覚も、感じるのだった。疑問には至らないから、尚更に不思議な思いなのである。
 懐から手拭いを取り出し、藤麻は額を拭った。
「感想なんて不要、と言ったわけ、分かるだろう? こういう舞が、後世に伝えられる事実、それだけで十分にその価値は認められている。そこに言葉を加えて心象を固めてしまうのは、無粋だというものだよ」
 微かに声が弾んでいた。掠れていないだけ良かったと、妙な方向で史城は安堵してしまっている。
「それは、そうなのだろうがな」
「それとも、こう言った方が良いかい? ……古書の整理に嫌気が差したから、好きな舞を踊って汗を流し、その後の沐浴を楽しもうという魂胆なのだ、と」
「……そんなことを考えていたのか」
「まさか」
 呆れて言うと、あっさりと裏を返した。
「誰かに見せたかったから、見せた。単純な思いだよ。言っただろう? 人に見せる稽古だって」
 彼の表情が陶然としているように見えたのは確かで、彼の舞いが終わった瞬間には、或いは自分もそうであったのかもしれないのだ。そう思えば、無闇な口出しはそれこそ無粋だろう。
「ゆっくり入るといいさ、風呂に」
 その時ばかりは、大人げないな、と流石に自分でも思った史城である。


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