中毒症



 いつもの小さな部屋に僕はいた。きみが入ってくるのを待って。
 その気になればいつでも会えると分かっているのに、その気がなければ一生会えないのかもしれない、中途半端な間柄。
 それが何故か不安で仕方なくて、僕は落ち着かない。
 確かにきみのところに意識が伝達するラインが繋がっていても、じゃあ心は? と。
 僕がモニタを見ていても、きみが同じく見ているかなんて保証は何処にもないから。
 それが凄く不安で。不安になってしまって、その思考を修正することが出来なくなってしまって、だから……、だから。
 帰ろうと思うのに、名残惜しく、玄関のチャイムを鳴らすように、もう一度人差し指を押す。きみのレスポンスを期待して。

 F5。

 真っ白なスペースに冷たい一言。
『画面が更新されました』
『ページが表示されました』


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