毒薬と劇薬。
その違いが分からなかったので、試してみることにした。
辞書で検索してみても良かったのだけれど、それだけでは味気ない。
毒にも薬にもならない、なんて格言があるけれど、それが本当に本当なのか確かめるには、実地検証が必要なのだということだ。想像だけでは計り知れないことが、この世には沢山あるもので……、なんということはない、詳しい説明は必要ない。それぞれを服用して効果を比べてみたのだ。そう、それだけのことだ。
問題は毒物を手に入れる際に、既に毒薬と劇薬の区別がされている保証があるかどうかということだけだった。人脈は最大限に利用してこそのものなのだ。毒物を手に入れるのは至って簡単なもので、最終的には些細な問題に過ぎなかったのだけれど。大体、表記されているからそれが毒薬か劇薬か分かっている、だなんて、そんな面白くないこと、信用出来るわけがない。だから、改めての実地検証だ。
むしろ、その入手した薬物を使用する媒体こそが留意すべきことであったのだ。己の身体が一つしかない以上、検分は一度しか出来ないから。
手段がないわけでもなかった。
……と、まあ、ここまで話せば、結果はもう、お分かりだろう。
実地検証は、親友の二人に頼んでみたよ。ミリグラム単位で、きっちりとね。
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