「運命と必然の等価価値を調べてみよう」
そう言って彼は天秤を持ち出してきて、僕の運命と彼の必然を両皿に乗せた。
すると、天秤は僕の方に傾いた。
「必然より運命の方が重いってこと?」
僕が訊くと、彼は首を傾げながら、
「うーん……」
運命と必然を入れ替えて、手を離す。すると、天秤は僕の方に傾いた。
「ああ、成る程」
彼は頷いて、
「そういうことだったんだ」
と嬉しそうに一人納得した模様。
「どういうこと?」
僕が訊くと、彼は人差し指を口に当てて、
「それは僕がここで答えるべきことじゃない。きみが自分で見つけるんだね」
そう、悪戯をするような目で言うのだった。
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