「――もしもし、僕です。うん……、うん、そう。久しぶりだよね。元気にしてた?
……ああ、ぼくは大丈夫。相変わらずやってるよ。何も変わってない、こっちは。きみがいなくなってから、随分静かになったような気もするよ。
……はは、そうじゃないよ。そんなことは言ってないじゃない。冗談にもなってないって。
……うん、思い出した。昔から、きみってそうだったよね。妙に真面目に、ぼくの言葉を受け止めちゃったりして。真に受けて、って言うのかな。きみの前ではね、ぼくは皮肉は出来るだけ言わないようにしてたんだよ。
……何故って、それをぼくに言わせないでよ。
……ゴメンゴメン、無駄話しちゃって。
……大丈夫だって。用件? そう、それそれ。きみにね、訊きたいことがあって電話したんだ。良かったよ、電話番号覚えてて。人間の記憶力って、侮れないよね、まったく。
――あのさ、きみの名前、なんだったけ? ニックネームは覚えてるんだけど、忘れちゃって。気になってさあ」
Copyright(c) Kazui Yuuki all rights reserved.
SEO | [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送 | ||