夢日記



 人の波でごった返している店内を歩くのが億劫で、僕は階段に向かう。
 デパートを歩くときには、僕は必ず階段を使っている。
 友達同士、携帯電話のカメラで写真を取り合ってはしゃいでいる小学生くらいの子たちに、防火扉を閉めることでさりげなく邪魔をしてから螺旋階段を上っていく。
 最上階に通じるホールで、僕は螺旋階段を上から下へのアングルで写真に撮ろうとする。
 と、下から男が上ってきて僕を咎める。僕はカメラを隠してやり過ごす。
 男の影が壁に映って面白い構図だったのになと僕は思っている。
 屋上に出るとそこには普通に地面があり、つまり地上に通じていた。
 デパートは地下に向かって伸びる4階建ての建物で、完全に埋没した建築物だったのだと知る。
 反対側から数人の男女が来たので、僕は顔を合わせたくない気分になって横にそれる。
 更地の駐車場で二人の男女が地面に向かって何かしている。
 男の側が地面に四角く線を引き、女が手で掘っていく。
 少し動いてはまた線を引き、掘る。それを繰り返している。
 死体を掘っている、と僕は直感で分かるのだが、僕が近づくと沢山のメモを見せられる。
 ある意味のない文章が羅列されたもの。「暗号」は20近くも見つかって、僕らは途方に暮れる。
 どうやら彼女の父が残した言葉らしいのだが、僕らには彼の意思が伝わらないのだ。
 苦難の末、ひとつだけ、僕は解読することに成功する。しかしその文章もまた、暗号としか思えない文章なのだった。
 僕らは途方に暮れる。
 彼女のそばに置かれていた茶碗を、僕は中身を零してはいけないと横に避けた。しかし男の足がそれに触れて、中に入っていた粥を零してしまう。
 濡れたティッシュが散乱する。


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