腐れ縁



 彼と彼女は、幼いときから一緒だった。
 何が彼らをそうさせたのかは、彼ら以外には誰も知らない。
 本人たちは不承不承、といった空気を漂わせていたのだが、周りの人々は彼ら二人を完全にワンセットとして捉えていた。
 因果関係は何処にあるのか、因縁めいた間柄。
 俗に言う腐れ縁である。
 彼と彼女はいつでも一緒だった。
 例えは悪いが、まるで、抱き合わせで売られている売れ残りの商品のように。
 ……そしてやはり、それは他人には売れないのだ。
 だから、いつまでも彼らは一緒なのだった。
 多分、今でも彼らは一緒に違いない。
 それこそ、肉体がなくなって精神だけになっても。
 空の上で、二人。


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